【レポート:東京公開・千秋楽の舞台挨拶 2015年12月11日】
ポレポレ東中野での千秋楽を迎えた12月11日(金)、予定にはありませんでしたが、急きょ愛媛から駆けつけた伊東監督と、映画の主人公である川口美砂さんが、劇場で最後の舞台挨拶をおこないました!
『X年後』の上映後、「ついさきほど、劇場に到着しました…!」と慌ただしく登場した伊東監督。
『X年後』の中で登場人物が語る「国が相手だからしょうがない」というセリフについて、とても矛盾を感じる、と切り出しました。
「国というのは、彼ら(登場人物たち)の国ということ。だから本来であれば、国民のためのものであり、国民の方を向いているはず」にもかかわらず、「命よりも経済が優先されてしまった」。「国レベルの”大きな経済”と、マグロ漁師たちが家族を養うための”小さな経済”の二つが食い違っているところに大きな問題がある」と語り、被害者同士で傷つけあうのではなく、加害者の責任と謝罪を求めることが何よりも大事だ、と語りました。
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◆『X年後2』上映後の舞台挨拶
▲川口美砂さん
“11/21から始まった上映を、たくさんの方が観にきてくださいました。私が一番望むことは、この映画で描かれたように、室戸に限らず全国のマグロの漁師さんたちが、戦後間もなく先の大戦、あれだけひどい広島・長崎があったその海に、恐らく多くの青年、青年の親も戦死して、親兄弟のために一生懸命沖に出て命がけで漁をした…その漁師たちが、なんのことも知らされないままに事件に巻き込まれた…辛かったろうと思います。知らされなかったことは、完全に無いものとされていて、私自身も偶然映画と出会うまで、被害は「第五福竜丸だけ」だと思っていました。
『X年後1』によって、私は「知ることの大事」を学ばせていただいた、そして自ら考え・自ら動く…その力を与えていただきました。
映画を観ていただいたみなさまも、闇に葬られたたくさんの漁師たちの憂い・悲しみを、語り伝えていっていただけたら嬉しいです。”
▲伊東監督
“いま改めて考えると、もっとも印象にあるのは前作「X年後」登場人物の「国が相手だからしょうがない」という言葉。
――「国」とはなんなのか。「国」=私たちがつくっている「国」を相手にしている矛盾。いくら考えても考えても…いったい「国」はどこを向いているのか。「私たちの暮らしを守る経済」と「国の考える経済」の違い…?いびつな経済原理のもとに、しわ寄せがどこにでているのか…。加害と被害を明確にし、責任と謝罪をきちんと求めていく必要がある。
「昔の話」ではなく、過去におこった事件だからこそ、きちんと科学的な解明をして、風化も含むメカニズムを明らかにしていくことが重要だと思う。
今回『X年後2』では、川口さんという主人公との出会いによって生まれたけれど、これからの上映展開を通して、高知だけでなく、全国各地に聞き取りをする人が増えていき、事件解明に一歩でも二歩でも近づくことを願っています。”
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おかげさまで、三週間にわたる東京・ポレポレ東中野の上映が無事に終了いたしました。ご来場いただいたみなさま、ご協力いただいたみなさま、本当にありがとうございました!
いよいよこれから、地方劇場展開が順次スタートします。
http://x311.info/blog/theater/
引き続き、地道に着実に津々浦々に届けてまいります!
事件のこと、映画のこと、ともに広めていただけたら幸いです。
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