放射能を浴びた[X年後]

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これは、遠い時代・遠い場所の話ではなく、私たちの[X年後]の物語である。

ストーリー

「父は なぜ死んだのか?」
半世紀前の太平洋核実験 漁師たちが伝える無言のメッセージとは――?

終戦直後の1946 年。太平洋上で、米国による核実験が始まった。しかし多くの漁船が、その後100回を超える実験期間中も、近海でいつも通り操業を続けていた―。闇に葬られたビキニ水爆実験の真相に迫る前作『放射線を浴びたX年後』から3年。高知県室戸市ほか各地での継続取材は、新たな展開を迎えていた。安全や核をめぐって国のあり方があらためて問われる今、かつて日本の繁栄を支えた海の男たちのメッセージに、地方TV局のディレクターが迫った渾身のシリーズ第二弾!


東京で広告代理店を経営する川口美砂さん、59歳。故郷である高知県室戸市で、映画『放射線を浴びたX年後』を観たことがきっかけで、元漁師だった父の早すぎる死に疑問を抱き始める。当時「酒の飲みすぎで早死にした」と言われた父。本当にそうなのだろうか?高知県室戸市出身の漫画家、和気一作さん(本名:大黒正仁。代表作「女帝」など)もまた、映画との出会いがきっかけとなって父の死に疑問を抱く。愛する父への強い思いが、二人を動かし始める。
一方、取材チームは放射線防護学の専門家と共に、1950年代当時、雨水の中に高い放射性物質が測定された沖縄、京都、山形を訪れ、独自に土壌調査をおこなう。民家の床板を外し、半世紀ぶりに現れた土。遠く離れた太平洋でおこなわれた核実験の影響は、今も日本列島に影響を及ぼしているのだろうか?
元漁師たちの証言、破られた船員手帳、厚労省への情報開示請求―。日本列島を揺るがした巨大被ばく事件から半世紀を経た今、決して消え去ることのない「被ばく」の傷跡が、徐々に明らかになる。

今作までの道のり


前作『放射線を浴びたX年後』は、ローカルTV局・南海放送(愛媛)が8年にわたる取材の集大成としてまとめ、2012年9月に開局60周年記念事業として劇場公開された映画である。その原型は、日本テレビと 系列29局がつくる【NNNドキュメント】でたびたび全国放送されたTV番組シリーズであり、「地方の時代映像祭グランプリ」「民間放送連盟賞 優秀賞」「早稲田ジャーナリズム大賞 大賞」など多数受賞した。東京・松山での劇場公開を皮切りに、全国での上映は200回以上にのぼる。ビキニ被災60年の節目ともいわれた2014年には、多くのメディアがこの事件について取り上げ、厚労省も動き出すなど社会的にも大きな流れが生まれた。また、公開から2年後の2014年に刊行された同名書籍も注目を集めた。映画公開から3年が経過する今なお全国各地で映画上映が続くなか、監督の伊東は「これはゴールではない。事件を解明したい」と取材を継続。その思いはテレビ放送や第一作にとどまらず、今回の第二弾公開へと結実した。

【南海放送とは】
1953年開局。2013年で開局60周年を迎える、愛媛県を放送対象地域とするラジオ・テレビ兼営局。創立以来ラジオ・テレビとも自社番組の制作力には定評があり、芸術祭大賞(テレビ)、民間放送連盟賞最優秀賞(ラジオ・テレビ)、日本放送文化大賞グランプリ(ラジオ)、ギャラクシー賞など数多く受賞。また海外でもアジアテレビジョンアワードグランプリ、ABU賞(アジア太平洋放送連合賞)など受賞し、地方局として存在感を発揮している。

【NNNドキュメントとは】[日本テレビ系列 毎週日曜24:50〜 放送]
1970年1月に放送が始まった日本テレビと系列29局がつくる報道ドキュメンタリー番組。制作本数は、45年間で2250本以上。「3分クッキング」「笑点」に続く日本テレビで3番目の長寿番組で、「文化庁芸術祭 大賞」「日本民間放送連盟賞 最優秀」「放送文化基金賞 本賞」などを受賞、品質の高さにも定評がある。社会の中で起きる様々な出来事…流行語にもなった「ネットカフェ難民」をはじめ、医師不足・学級崩壊・薬害汚染・派遣切りといった様々な社会現象に目を向ける一方で、人々の生きる力となる“希望”や“絆”を描いてきた。制作・著作がキー局だけではないことが大きな特徴で、地域の特性を生かした番組を制作している。

前作『放射線を浴びたX年後』受賞歴一覧

・日本記者クラブ賞特別賞
・第50回ギャラクシー賞報道活動部門<大賞>
・第40回放送文化基金賞放送文化部門<入賞>
・平成25年度日本民間放送連盟賞特別表彰部門<「放送と公共性」最優秀>
・2012年 第86回キネマ旬報ベストテン<文化映画部門>
・第11回 世界自然・野生生物映像祭<審査員特別賞>
・第30回日本映画復興賞<復興奨励賞>
・第1回グリーンイメージ国際環境映像祭<大賞>
・2012年度 日本映画ペンクラブ・ベスト5<文化映画部門>
・第4回座・高円寺ドキュメンタリーフェスティバルコンペティション部門入賞
・第37回 2012年シネ・フロント読者ベストテン<日本映画部門>
・2012メディア・アンビシャス大賞<映像部門>

スタッフ

ナレーション:鈴木省吾

朗読:保持卓一郎

声の出演:青二プロダクション

撮影:伊東英朗

録音:山内登美子

作曲:井内竜次

音響効果:番匠祐司

ミキサー:山口誠

AD:新家まゆみ 河村英美 中野聖華 久保典朗

美術:村上美保 芳之内由貴 武田宏美

CG:河野亜美

資料撮影:安庭慎也 立川 純

宣伝美術:RESTA FILMS
成瀬慧 中野香

宣伝配給協力:ウッキー・プロダクション
猿田ゆう 藤井裕子 野口和恵

HP制作:ユイシステム工房 瀧本則隆

特別協賛:大一ガス株式会社

【協力】
資料映像協力:日本ドキュメントフィルム

写真協力:焼津市教育委員会(焼津市歴史民俗資料館)
共同通信社 琉球新報 沖縄タイムス

[沖縄] 北上田源 上里樹
[高知 土佐清水市] 植杉康英 次田貴三
[高知 室戸市] 国際ソロプチミスト室戸
室戸市老人クラブ連合会
国立室戸青少年自然の家
キラメッセ室戸
室戸市教育委員会
室戸市教育委員会 生涯学習課
室戸市PTA連合会
室戸岬青年団
シットロト踊り保存会
室戸健康大学
ニューサンパレスむろと
医療法人 恕泉会・治久会 理事長 内田泰史

中野美智恵 谷村幸利 鈴木彬夫 竹中多津美
谷岡壽満子 谷脇幸生 谷脇美紀 鈴木忠
川原信恵 鍛治田久子 岩貞光江 升田かつら
大西冨美子 堺喜久美 谷本涼介 川口郁栄
川口勇吉 川田清美 端近寅男 竹中速雄
川上建司 高橋寿子 武井登喜子 徳増良男
徳増千都 瀬戸崇生 中屋順子 奥田玉喜
吉松喜代美 (順不同)

室戸のおんちゃんと家族のみなさま

土壌調査協力:日本大学歯学部 野口邦和研究室
東都生活協同組合 商品検査室

[京都] 久守一敏 石沢晴彦 橋本栄 牧原幸
[山形] 小泉信三 高橋卓也 長南里香
[沖縄] 石川敬士 由浅達朗

登場していただいたみなさま
日本文芸社(漫画 「おんちゃん」)
第五福竜丸展示館
日本テレビ系列 NNNドキュメント

【南海放送】
社内製作委員会:河田正道 田中和彦 秋川啓人
中村史郎 清水啓介 松崎良二 中井康文 乗松義弘

営業:畦地一久 宮部 選 山内孝雄 山内孝洋

広報:永野彰子 三谷隆司 大江健司 鴨川政史
村上浩二 松下和明 二宮以紀

企画:大西康司

構成:日笠昭彦

プロデューサー:小倉健嗣

チーフプロデューサー:兵頭英夫

監督:伊東英朗

製作著作:南海放送

受賞歴一覧

2015年 第89回キネマ旬報ベストテン<文化映画部門>

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