カテゴリーアーカイブ: レポート
2013年12月6日(金)
< USA Cambridge >
【 「放射線を浴びた~X年後」ボストン上映会 】
◆会場:Harvard University Science Center Hall E
◆主催:JREX and Tewassa
海外初・自主上映!
3.11東日本大震災を受け、アメリカ・ボストン在住の日本人を中心に「何かしたい」という焦燥感の中から「出来ることからやってみよう」と2011年に発足したボランティアグループら(※)による手作りの自主上映会が開催されました!
※主催者
Tewassa:手作りで故郷をサポートしようと2011年に結成されたグループ。キルトを作成、被災地の学校に届ける活動の他、アメリカで映画を上映し日本の現状を紹介、知識を深める活動をしている。
Jrex:ニューイングランド地域の起業経営者ネットワーク。いろいろなイベントを開催し日系コミュニティの活性化を担っている。
会場のハーバード大学サイエンスセンターには、現地の教育関係者、研究者、医療関係者、学生、起業家、など多くの方にお集まりいただきました!
日本から駆けつけた伊東監督は、
・これからもこの事件に関して調査を続ける。
・映画にも出演してらっしゃった方からの声を聴き、そして伝えることで皆さんにこの事件を知ってもらいたいという思いでこの映画を制作した。
・今現在も、関連の情報も収集し、新しい映画を作ろうと動いている。
…などについて、上映後にお話しをさせていただきました!
その後、医療被曝や脳科学の研究家の方々や原爆事故の精神面や環境面でのサポート団体に関わる先生らにより各専門分野からの見解についてスライドトークがおこなわれました!
上映後パネルディスカッション(各方面の方々をお招きして)
◆ファシリテータの専門分野:問題解決のためのソーシャルテクノロジー
Solving social problems through social technology in a holistic framework
◆パネリストの専門分野
①科学技術と民主主義:専門的議論における市民の役割
Science,Technology.and Democracy:Rethinking the Roles of Experts and Citizens in Policymaking
②3.11によるトラウマを受けた住民の支援と研究
Support and research f the residents who experienced trauma by 3.11
③医療被曝の現状と一般認識について
Current status of medial radiation exposure in Japan and its general awareness
鑑賞者からは、「とても素晴らしい映画でした。海外でもどんどん発表して欲しい」
「現状を全く知らなかった、ショックを受けました」などの感想が寄せられました!
(写真は、挨拶する主催者さん)
~ご来場いただいたみなさま、取り組んでいただいたみなさま、ありがとうございました~
2013年12月5日(木)
東京都文京区【 「放射線を浴びた~X年後」上映会+トークin全労連会館 】
東京・御茶ノ水にある全労連会館にて、実行委員会形式で上映とトークが開催されました!
【上映会の開催趣旨】
「2014年、ビキニ環礁での本格的水爆から60年。
ビキニ事件の実相は未だ解明されていない。
そこから見えるのは、この国の変わらない社会構造-
「Ⅹ年後」が私たちに投げかけていることを考え、
一歩を踏み出すきっかけにしたい」
▼全国組織の本部が集まる会館内で働く有志や、伊東監督の映画化の目的のひとつである「調査の呼びかけ」に呼応し、首都圏でフィールドワークをおこなった青年らが「この指とまれ」で取り組み、会館内外から多くの賛同人・協賛が集まりました。当日は、一般含め、たくさんの方にお集まりいただきました!
▼会場には、翌日からボストン上映へ参加の伊東監督が急きょ駆けつけ、
映画に入りきらなかった詳しくをお話ししました。
▼トーク後は、首都圏でフィールドワークに取り組んだ青年らが加わりトークセッションが行われ、
フィールドワークに参加して感じたことなどをお話ししました。
▼参加者でのリレートーク。
*大学四年生の自分も「第五福竜丸だけが被ばくした事件」という認識だったので驚いた。
*被害の後には勇気が必要。その「勇気」を限られた人が持つものではなく、みんなで諦めずに行動にしていくことが、ものすごく大切と思った。
*声をあげられずに取り残されてきた被ばく者や家族の悔しさを改めて知ることが出来た。
*地元での上映会を検討していたが、改めて今日の参加で開催を決意した。
…などなど、時間が足りないほどに手があがり、それぞれの立場で「X年後」を受けての
質問や感想が寄せられ、来年につながる上映会となりました!
~ご来場いただいたみなさま、一緒に取り組んでいただいたみなさま、ありがとうございました~
2013年11月16日(土)~20日(水)
愛媛県松山市
【 「放射線を浴びた~X年後」5日間限定・記念上映 】inシアターねこ
2012年9月の公開から1年が経過した映画「X年後」。
愛媛・東京の劇場公開を皮切りに、全国上映・数々の受賞を経て、海外展開へ向かうなか、
製作した南海放送のある愛媛県松山市で、地元のみなさまに感謝をこめて、市民が運営する
<シアターねこ>にて、5日間限定の記念上映(1日3回上映)を開催しました!
記念上映には、これまでの「X年後」上映展開の特徴にふさわしい舞台を、と切望した監督と南海放送、
そして地域で文化の発信拠点としての役割を模索し続けるなかで、その上映の意義に共感した「シアターねこ」が
協力して、記念上映に取り組みました。
http://theaterneco.main.jp/?p=860
普段は演劇を中心に活動するシアターねこでの映画上映は初めて!
シアターねこのメンバーはじめ、ボランティアさんたちが集まり、スクリーン設置や会場設営をおこない、
元幼稚園の小劇場が映画館に大変身!
会場には、普段演劇を観に来るシアターねこのお客さんや、地域の方々、地元大学の先生や学生さん、
遠方から事前予約をして参加されたご家族など、たくさんの方にご来場いただきました!
初日二日間は、監督のトークと座談会つき。
連日夜の回は、シアターねこで活動している演劇人による朗読(「ある科学者からの手紙」)もおこなわれました!
上映後は伊東監督から、事件のいきさつや、水爆実験のこととその背景、
現在にまでおよぶ影響についてなどをお話ししました!
トーク後は、隣のお部屋「リハーサル室」に移動し座談会。
展示物に沿って監督が解説をしたり、お茶を飲みながら、カレーを食べながらテーブルを囲み
映画のなかでの疑問点や質問、ご意見などが、次々と監督に寄せられました。
参加者からは、
「知らなかったことが多すぎる。とても貴重な映画を観せていただいた」
「地元のTV局が制作していて、すごいと思った」
「前回、観たかったけど機会を逃していたので良かった」
などの声が寄せられました。
上映2年目を迎えた「X年後」。
新たな輪が広がり、これからますますの上映展開が期待されています!
~ご来場いただいたみなさま、一緒に取り組んでいただいたみなさま、ありがとうございました~
2013年10月5日(土)
【 成蹊大学アジア太平洋研究センター主催連続映画鑑賞会 】
http://www.seikei.ac.jp/university/caps/
成蹊大学内、唯一の研究センターとして、アジア太平洋地域に関連する各分野の学際的・国際的共同研究の推進と
その研究成果の社会への還元、国際学術交流の促進を目的として設立・運営されている<研究センター>主催の企画!
当日は、センター関係者のみならず、学生さんや地域の方々はじめ、遠方からも多くの方にご来場いただきました!
上映後、約50分にわたる監督講演では、真剣にメモをとりながら、頷きながら、お話を聞く姿が目立ちました!
【伊東監督のお話(抜粋)】
■はじめに―当事者であるという認識
よく、この映画を観られて「自分の知らないところに被ばく者の方がいるんだなぁ」とか「被害にあわれた方、大変でしたね」という感想が寄せられるのですが、みなさんは第三者ではなく、当事者かもしれないのです。
例えば、海洋汚染については、映画にも出てくる日本政府が出した調査船<俊鶻丸>のデータからも、その汚染の範囲と強さがわかりますし、現在も太平洋の中にビキニ事件当時の放射性物質が残っているという研究結果も出ています。
また、当時、たくさんの放射性物質を含んだ雨が降っていたということが全国各地の新聞でも連日報道されています。
子どもの頃聞いた「雨にぬれると頭がはげる」というのは諺だと思っていましたがそれは、ここからきているのです。
海も空も、つながっています。
そして、映画中の証言やデータから読み取れる船や乗組員、魚の状況からみる、私たちにかかわる影響についても考える必要があります。
■事件の矮小化・記憶の風化
上映会では、年配の方からも「え!そんなことあったんですか?」という声が多く寄せられます。なぜ知らなかったか、、、よく政府が隠した、メディアが隠した、と言われますが、先にも述べたように、報道は毎日のようにされていいました。にも関わらず、「事件」はいつの間にか「第五福竜丸事件」と呼ばれ、いつしか人々の記憶は「第五福竜丸一隻が被ばくし、久保山愛吉さん一人が亡くなった、3.1の事件」となったのです。
当時の核実験は1946年から100回以上おこなわれており、1954年3月1日のブラボーショットは、その中の一発に過ぎないのです。被ばくによる被害は放射線がで続ける間、ずっと続くもの。
「○周年」や「○○デー」などのメモリアルをつくることが矮小化につながる危険性があります。
■過去から現在とこれからを見つめる
映画の前身となる番組は、8年にわたり放送を続けてきましたが、3.11以前は関心度が低く、3.11後に、一気に関心を持たれました。
その後、映画化して多くの上映がされてきましたが、つくづく、被ばくの問題は難しく、解決するのも難しい、ということを痛感しています。
補償の問題でいうと、被ばく者側が医学的な裏付けをしなければならない状況があり、検証が必要です。一方で、「今の科学では裏づけは難しい」とも言われています。
「これまでを検証し、これからに生かしてほしい」という思いから「X年後」のタイトルをつけました。
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講演後の質疑応答では次々と手があがり、補償や海員組合の関わり、アメリカ本土への影響や認識について、、、
など、映画のなかでの疑問点や質問、ご意見をお寄せいただきました!
恒例のサイン会では参加者の方々との話が尽きず、まるで座談会のようになっていました!
~ご来場いただいたみなさま、主催いただいたみなさま、ありがとうございました~
2013年9月15日(日)
【 中津川映画祭 日本映画復興奨励賞受賞記念上映 】
http://www.vee-com.ne.jp/~n-cinema-j/
映画公開から、ちょうど一周年にあたる9/15(日)。
30数年前に映画館がゼロとなった中津川市で、10年以上続く市民ボランティア
による映画祭での上映&トークに伊東監督が愛媛から駆けつけまし た!
当日は台風が近づくなか、多くの参加者にご来場いただき、映画をご覧いただきました!
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【伊東監督のお話より】
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
ラストシーンの波の音を聞きながら、いろいろなことを考えられたのではないでしょうか。あの海は高知の海ですが、ビキニの海につながっています。
よく「なんでこんな古い話…」と言われることもありますが、逆なんです。「今まさに知らなければならない事件」だと、僕は思っています。
アメリカによっておこなわれた核実験は、終戦翌年の1946年から1962年まで、100回以上におよびます。船上だけでなく、海の汚染、そして 大気中…私たち一人ひとりも何らかの形で影響を受けているといえるのです。いわゆるビキニ事件はそのうちのひとつなのですが、「第五福竜丸事件」や「3.1ビキニデー」と呼ばれてきたなかで、その他の被害の存在が薄まっ てしまったことも事実です。被ばくの問題は「その日・その時」だけでなく10年20年…と続くもの。メモリアルな日を作ることはピンポイントで記憶に残る反面、矮小化を招く恐れがあります。
当時、この日本で高濃度の放射性物質が測定されたことは新聞にも載っていました。でも、政府の公文書には今のところ確認されておらず、この事件の真相は全くもって未解明のままです。何も知らずに亡くなっていった人たちや親族、いまも苦しむ人たちの救済に向け、事件解明が急がれます。例えば日本海側のどの港でも、お年寄りに声をかければ当事者が見つかります。
「あのとき船に乗ってた」「第五福竜丸が近くにいたよ」とかいう話が聞けたりします。そういう人たちを探し出し、最終的には政府に調査窓口ができるといいと思っています。
上映が始まって今日で一年が経ちますが、上映会にはできるだけ伺って、こうしてお話をさせていただいています。
これから、一緒に輪を広げていただけたらと思います。
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参加者のなかには、赤ちゃんを抱いたお母さんの参加も。上映後長蛇の列のサイン会では一人ひとりとお話。
「私の周囲でも上映会を企画したい」「お話もとても良かった」と声をかけていただきました!
*主催の<中津川映画祭実行委員会>は、「X年後」も受賞した日本映画復興賞をともに受賞した団体。
今回は同受賞作品「希望の国」「いわさきちひろ~27歳の旅立ち」を一挙上映!という企画でした。
http://www.vee-com.ne.jp/~n-cinema-j/
~台風の近づくなかお集まりいただいたみなさま、主催していただいたみなさま、ありがとうございました!~
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